ラスベガス視察

婚礼家具の低迷や、中国からの安い家具の流入で、1980年代のピーク時には480億円あった売上げが、2005年には143億円にまで下降するという、きわめて苦しい状況に置かれている府中家具。そこで新しい活路を見出そうと、府中商工会議所が窓口となり、国から補助金を受けて平成18年度から実施しているJAPANブランド育成支援事業の一環として国際的な家具・インテリアの展示会「ラスベガスマーケット」に初出品しました。

府中家具の老舗3社が「ジャパニーズ・モダン」をコンセプトにした渾身の最新作をたずさえ出展されました。世界各国から1200を越える業者が商品を出展するこの国際的な展示会でどのような評価をされるのか大変興味深く思い、募集された視察ツアーに参加しました。

府中家具に限らず、当社の関わる備後地方の繊維産業においても前述と同じような状況になっています。当社も活路を見出すために数年前から新しいマーケットを開拓するべく備後地場産業振興センターの協力を得ながら、ジャパンクリエーションという展示会に出展してきました。それで主に東京市場のマーケットは新規開拓できました。しかし、国内マーケットのみでの販売では、産地全体の生産量を満たすには限界があり、早急に海外市場を新たに開拓する必要に迫られています。

今回の視察において、家具においても、品質やデザインなどJAPANブランドに対する来場者の興味が非常に大きいと感じました。このことは、衣食住のライフスタイル関連産業としては共通にいえることであると考えています。メードインジャパンのテキスタイルの素材力と技術力、高感度「ジャパン・クオリティ」 を発信し、さらなる質の高さを追求したファッションビジネスを展開する上で当社にとっても、今回の視察に参加できたことが、現在検討している海外での展示会に参加するうえで大変参考になったと感じています。(M)